私達夫婦のPB模索経緯

現在、我々日本国民の老後を支えるセーフティネットであるはずの「国民年金システム」は、社会保険庁の問題をはじめ、あいつぐ不祥事により大きく揺れています。我々の老後をささえるはずの根底がくつがえされようとしています。

また、将来において予想される消費税の引き上げ、高インフレや更なる円安などの金融ショックに、我々はどのように対処すれば「自分の資産は自分で守る」・「自分の老後は自分で守る」事ができるのでしょうか。

明治維新時や第二次世界大戦後には、多くの国民が、それまでのお金や軍票が紙くずになってしまう経験をしました。有事の際には、個人の資産は国家に略奪されてしまうということを考えた時、私たちはどうするべきでしょうか。日本国を100%信頼して、運命共同体として生きていくのか、それとも一個人として、自分の身は自分で守ることを考えるべきでしょうか。

以前から、私たち夫婦は、個人資産の防衛法について話し合い、ベストの方法を模索して来ました。もし万が一、巷に溢れる恐怖本が宣伝しているアルゼンチンのような国家破綻が日本で起きてしまったら、一体我々はどうしたらいいのか。せっかくいままで一生懸命働いて貯金してきた個人財産を、国の官僚や政治家の愚策の前に略奪され、なすすべもなく泣き寝入りするようなことは避けたい、という強い思いから、結論として、日本国内に円だけで全財産をもつというリスクを分散させる必要がある。
つまり、国際分散投資が有効だろうとの結論に到達しました。

国際分散投資については、日本の銀行内にも外貨預金という商品はありました。ただ、如何せん外貨交換の手数料も高く、外貨預金の利回りがよいといっても、なんだか色々と内部で手数料がかかるようでした。また、日本国内の銀行では投資の選択肢が限られますし、結局ペイオフによって、1000万以上の資産は守られない、となるとあまり意味がありません。さらに、日本の証券会社の扱う外国籍の投資信託もいろいろとありますが、これも同様に手数料が高く、また成功報酬といっても、結局、高リスクで失敗して泣きを見るのは我々消費者であります。
このような思いから結局、資産を分散するのが目的であれば、資産の置き場所(国家)自体も分散させるべきであるとの結論になりました。
そのためには、どこか海外に拠点をおいてお金を預けなければなりません。そして、単に置いておくだけではなく、インフレを上回るようにしっかりとした運用をするためには、海外の投資商品を自分で選択して管理する必要があります。しかし、これはよほどのプロでもないかぎり、かなり大変な事です。

そこで、できれば金融商品の選択や為替の判断など、運用にまつわる部分も任せられれば、と考えるようになりました。資産の「保全と運用」を同時にやってもらえる場所探しをはじめたのです。
こうして、海外に直接口座を開くという可能性を模索し始めたのですが、最初は、国内の富裕層向けプライベートバンキング・サービスから検討していました。
当時国内ナンバー1であったC銀行のPB部門の口座を開いていたのですが、行員がやたらと新商品の営業攻勢をかけてくることと、運用自体も期待するほど伸びず、また担当者の金融知識も浅いことが解ってきました。
次第に、所詮大きな商業銀行(メガバンク)はインハウスのプロダクト(銀行自体が組成する商品)を売るものに過ぎないという失望感を抱いてきました。

一方で、世界中の大富豪が個人資産の運用を委託しているPrivate Bank(プライベートバンク)というものがスイスにあることを知り、研究をスタートしていました。そこで、以下のような事が次第次第にわかってきました。

  • プライベートバンクでは「一任勘定」と言って、銀行側のポートフォリオマネージャーに商品の売買や運用を任せる形が一般的らしい。
  • 信用できるプロに任せられるのは素晴らしい。そうじゃないと、ファンドについての知識の乏しい一般的日本人が海外の金融商品をばんばん買うというのは難しい。少なくとも私には無理である。
  • しかも、スイスのプライベートバンクは、その無限責任(パートナー)制という経営形態からも、安定した保全にむいている。これは、PBと経営者が運命共同体であり、なにかあったら、パートナーの個人資産にまで責任が及ぶ事を意味している。だからしっかりやるだろう。
  • 手数料体系も、顧客と利害が一致している。プライベートバンクは、顧客の総資産の数パーセントを手数料としてとっている。ホームランを狙って成功してもボーナスがある訳ではない。逆に運用が失敗して目減りしたら、打撃となる。安定して顧客の資産を増やし続ける事が最大のメリットとなっている構造。
  • また、一般融資などを行っていないので、不良債権のような問題が無く、財政が安定している。
  • かつ、スイスは、法律によって、厳格に守秘義務が決められている。国自体のプライベートバンク・ビジネスへのコミットが高い。
  • こうしたことから、スイスのプライベートバンクは歴史的に国際的な信用を勝ち得ている。世界の個人資産の1/3がスイスにあるとまでいわれている。しかも、多くの銀行が100年200年以上の歴史がある!
  • PBは、株だけでなく、金をはじめすべての金融商品にアクセス可能。不動産や資産価値のある絵画の購入をサポートしてもらっている富裕層もいると言う。
  • しかも、スタッフで日本語が通じるところもある。
  • 手数料も思っていたより安く(預金額の年間1%程)、日本で投資信託を買ったり、投資顧問会社・ファンドマネージャーに任せるよりも遥かに安い。
  • 以上の事から、海外投資の拠点として、スイスのプライベートバンク以上に便利で信頼できるところを探すほうが難しい。

さらにスイスという国は、アルプスの山々に囲まれていて、空気や水の新鮮さは素晴らしく、観光のためにせよ、保養のために温泉に入るにしろ、とても美しい国です。年に1、2回、ポートフォリオ打合せの為にスイスを家族で訪問して、バンカーと資産運用について語り合う。。。なんて、なかなか素敵ではないですか。

更に、個人向けのサービスとして、子供の留学の相談や、将来の海外移住などについても、いろいろノウハウがあるようです。また、プライベートバンカーはショッピングの手伝いや観劇(オペラ)やイベントのチケット の手配などもしてくれるらしいです。担当も子どもや孫の代まで変わらず、世代を超えたお付き合いができる、という事もわかってきました。

その結果、子どもの頃にみたハイジやブラックジャック、劇画のゴルゴ13の世界がより身近に感じられ、その後ますます、スイスにおけるPrivate Bankの世界に魅かれていきました。 !(^^)!
こうして、最後に利益相反性がないということにより納得して、スイス・プライベートバンクの世界に飛び込んだ訳です。

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