一般コラム


1、はじめに

私達夫婦は、個人的な経験をもとに、スイスのプライベートバンク(PB)についての情報を、ホームページ、メール、実際にお会いする面談という形で提供してまいりました。

その結果、我々夫婦のもとに集まる情報もかなり増えてきた事を受けてこのたびホームページをリニューアルいたしました。
サイト・リニューアルにあたっては、次のことを念頭に置きました。
こまめな更新が出来るサイト構成にする。
プライベートバンクに対する情報は以前として少なすぎる。したがって、これまで通り、個人が、独力で口座開設するための手助けとなるような情報は、誰にでもオープンに見えるようにする。
私たち夫婦に相談したい、というご希望には、最大限応えていき、これまで以上の情報を伝えていきたい。
既存の口座開設者のためにも、ある程度、公開を限定すべき情報もある。こうした情報は、面談を希望してくれた方や、一定のお約束をしていただいた方のみに提供するようにしたい。
この「コラム一覧」では、独力でプライベートバンクの口座を開きたい人にとって、疑問に思うであろう点についてまとめました。これを読んでいただければ、PBについてある程度の、基礎的な知識が身に付くと思います。
一方で、各銀行のより個別具体的なことについては、公開は差し控えさせていただいています。ただし、面談させていただく際には、私たちの具体的体験と知っていることについては全てお話しさせていただいているので、こうした具体的な情報は、会員専用ページに記述する、という形にしました。
また過去において以下を例とするさまざまな活動に対する障害を経験してきました。
PBに対して「廣瀬夫婦に紹介された」というように、勝手に名前を使われること。
私たち夫婦から得た情報を流用、悪用するケースがあったこと。
冷やかしが増えてきた事。
自己責任の原則をふまえず、なにもかも私たち夫婦のせいにするようなこと。
PB紹介業者、投資助言会社からの根拠もないやっかみや中傷、批判 。
私達夫婦は、このような障害に負けることなく、これまで通り「辻説法的」ではありますが、本当にご縁のあるかたがたに喜ばれるスタンスで活動を続けていこうと思っています。
そして、今後ともプライベートバンクの利用を検討されている方にとって、役に立つサイトになるよう、努力していこうと思います。


2、PBの3つのタイプ

プライベートバンクのタイプはどんなものがあるか
プライベートバンクは経営形態や規模によって、一般に大きく分けて3つに分類されます。

1・商業系大手 (代表的な銀行:UBS)

2・中規模 (代表的な銀行:ピクテ、ロスチャイルド、EFG)

3・小規模 ブテック型 (代表的な銀行:Rahn & Bodmer等)

2と3は区別しない場合も多いです。実際、かなり定義は曖昧ではあります。
また、商業系大手を「プライベートバンキング」、中小規模&ブティック型をさして
「プライベートバンク」と呼ぶ事もあるようです。(まぎらわしいですね)
また、提供するサービスは違うのでしょうか?。
個人向け総合金融サービスを提供する、ということでは同じですが、ニュアンスは若干違います。
あまりうまい例ではないかもしれませんが、洋服屋に例えてみましょう。
商業系大手銀行は、大手チェーン店で、全国どこでも名前が知れているようなお店です。既製服を販売している感覚で良質な商品を手に入れる事ができますが、商品ラインナップは固定的で、顧客のオーダーメードに答える事は苦手です。またその利益率からどうしても自社商品(自社金融開発商品)の販売が主体となります。
中規模は、セレクトショップのようなものでしょうか。国内外のさまざまなブランドの商品を独自に揃えており、仲良くなれば、買い付けの際に自分好みの一点ものを仕入れてくれるかもしれません。商業系大手に比べれば、はるかに融通をきかせやすいです。ただし悪く解釈するとどっちもつかずといった中途半端に大きい故、人件費といった余計なコストもかかりマイナス面も生じてきます。
小規模は、ブテイックといったイメージでテーラーメードの服を売る老舗店のような感じでしょうか。自分にサイズもぴったりの服を作ってくれますが、職人の腕や、職人のセンスが自分と合うかどうかによって、満足度は大きく違ってくるでしょう。
以上プライベートバンクの3つのタイプの違いでした。皆様はどこを選ぶでしょうか?


3、スイスプライベートバンカーズ協会

スイス銀行協会の中には、無限責任のパートナー制をとっている歴史と伝統のある12の銀行で構成される「スイスプライベートバンカーズ協会」(SPBA)というグループがあります。

スイス国内では「プライベートバンカー」という呼称は、このグループに属している場合のみ使う事ができるという話もあります。
それでは、ここに属する銀行のみが、真のプライベートバンクであり、他は真似をしているだけの偽物なのでしょうか?
それは必ずしもそういうわけではありません。これはマーケテイング戦略のひとつであり、ある組織に属しているということで、市場での存在感や信頼感高めているに過ぎません。
もちろんSPBAに属していない優良銀行はスイスにいくつもあります。
しかし、歴史や伝統を考えますと、この教会に属している12行は、他行と比べ抜きん出た存在。

つまり、結論を言うとSPBAに属しているということは、無限責任のパートナー制をとっている優良銀行である、という大きな目安になります。
ただし、ジュネーブ系大手に見られますように、せっかく協会に属しているのにビジネスの利益を追求するがあまり、個人相手ではなく機関投資家向け運用がメインになってしまっている銀行も散見します。
あくまで、貴重な虎の子の預け先はご自身で判断をするように注意してみてくださいませ。


4、最低預金額について

「スイスのプライベートバンクって一体いくらから口座開設できるんですか?」というご質問を良くいただきます。ミニマムバーと呼ばれる最低預け入れ額は銀行によってマチマチです。

最低ラインで、1500万円台からというところもあるにはあります。ただ、預け入れ額がその規模であると、商品購入が難しくなり、分散効果が十分にでない恐れがあります。プライベートバンクで取り扱う金融商品は、日本の郵便局や銀行窓口で販売されているような数万~数十万円からといった小額購入が可能な商品は少ないです。
プライベートバンクは今話題でもありますので、低価格から口座開設できる銀行も耳にしますが、その銀行自体の信頼性も十分考慮して預け入れ先を決めないと、不安が付きまとう結果となりえます。安かろう悪かろうの銭失いにはご注意を!とくに新興系の世界大戦以降に出来た銀行については要注意です。
では、歴史的経験値の高い、十分信頼できるスイス有数のプライベートバンクというと、だいたいどれくらいから口座開設できるのでしょうか?
おおよそですが、安心したポートフォリオの組める目安となる5千から1億前後からのスタートとなるようです。(円換算表示のため為替レートで変動)
ただし、これは現金だけではなく総資産でみるケースもあります(持ち家や、株、親の遺産・・・etc)。また、このミニマムバーについては、デジタルなものではなく、銀行側との交渉によって、その額に足りなかったとしても口座を開設することは可能なようです。また、最初からミニマムバーの金額を全額入金せずとも口座開設できるケースもあります。これは、あなたが確かに十分な資産をお持ちであり、銀行側さえきちんとしていれば、約束した金額をきちんと預け入れてくれるだろう、という信頼関係を築く事が必要になると思います。またある方は、今後の自分の将来性をアピールした結果、それが評価されて2500万での口座開設となったそうです。
どうも優良と思える銀行ほど、最低の預金額はいくらでなければならないといったハードルをもっておらず、顧客と銀行サイドとの信頼関係が全てであるように思えます。一方、残念ながら商業系大手銀行はガッチリとミニマムバーが決められているようです。
上記のような事情もふまえ、口座開設にあたっては、それぞれのプライベートバンクの業務スタンスや担当者との相性を、面談の中などでよく語り合い、その上で選択する必要があるでしょう。このとき、忘れてはならないのは、あなた自身も銀行側から顧客として望ましいかどうかを判断されているということです。
上にも少し述べましたが、いろいろな有事に対応できる国際分散型ポートフォリオは、一般的に平均で1億円ぐらいからが効果的なものを作成可能なスタートと言われていることを付け加えておきましょう。


5、紹介業者は必要ですか?

ここで力説しておきたいことは拙著「スイス・プライベートバンク口座開設のすすめ」にも書きましたように、「真実の情報を手に入れられさえすれば、プライベートバンク口座開設に関し他者(紹介業者や紹介斡旋従事者など)を交える必要はない」ということです。

また他の業者を交えるという事自体が、自ら魔の手を自宅へと招き入れるようなものであり、他人が関わる事がなければ、それに起因するリスク、騙される不安や恐怖心を未然に防げます。また、我々夫婦が心配するのは、他者と関係する事で「口座開設のみでは終わらない関係になるのではないか?」ということです。
その例として個人情報の漏洩による二次災害などがあげられると思います。
他の方の著書などでは、プライベートバンクをレストランにたとえて紹介者がいればよりよいサービスが受けられるなど、しきりに紹介業者の必要性を説いているところもありますが、懸命な投資家はそれを単に業者自分達が儲けるための戯言に過ぎないことを見抜かれていると思います。
実際にサービスの違いなど起こりえません。
もちろん、紹介によって口座開設されている方も多いはずです。あなたが個人的に付き合いがあり、信用できる人が紹介してくれるということであれば喜んでそうしてもらうと良いと思います。
プライベートバンク側からしても、すでに口座を持って信用を得ている個人が
「この人なら・・・」ということで紹介するからこそ、意味があるものなのです。そのような場合は、既存顧客への配慮から、より丁寧に対応してくれるような事もあるかもしれません。しかし、一般の紹介業者が広告などで集客した個人をいくら紹介したところで、特別扱いなどするはずなど常識的に考えてもないでしょう。
尚、このような業者を使う、または業者と関係があり、業者から勧められるPBは預金の集まらないいまひとつピンとこないPBであり、本当によいPBは口コミで宣伝などをしなくても自然と預金者が集まってきています。

また、結論からいいますと本当にまともなPBは紹介業者とは組んでいません。
それは預金者獲得のために努力をしなくても自然に口座ホールダーなどからの口コミ等により預金者が集まってくるからです。したがってPB紹介業者から紹介される銀行はいまひとつのところが多いと断言してもいいともいます。

さてここで、すこしこの業界の裏をご説明しますと(業者の悪口は言いたくはありませんので念のため)、預金者の集まらないPBは紹介業者に預金者を集めてもらうようお願いして、その預金額に応じてPBからキックバックを業者に支払う約束を行います。

業者は情報が少ないことをいいことに、ここのPBは超優良PBだといって(なにが超優良なのかよくわかりませんが・・・)紹介します。そしてその紹介料(30-100万ぐらい)を個人からとり、さらにキックバック(あるPBでは100万ぐらい)をそのPBからもらうという一粒で二度美味しい商売をしています。私たちは人さまの商売を邪魔するつもりは毛頭ありませんがまずは、(本当にその業者を信じていいものか・・という)皆さまの直観力を信じることが一番大切と思います。

どのようにして紹介業者や法律・会計事務所を信用すればいいのか、というところは私としても見極めがつかず、できることであれば、自分自身で口座開設できたほうが一番すっきりすると思っています。

さらに紹介業者が投資顧問業を兼ねている場合、きまってPBと顧客と業者の三角関係であるアドバイザー契約を結ぶことを強く勧めてきます。これはスイスの銀行を資産保全の「器」または「金庫」のみとし、自らを助言者と称するアドバイザーがわざわざ中間に入り余計な手数料をクライアントから搾取しようとする考え方です。

既にPB側には優秀なポートフォリオ・マネージャーが存在するのでありますから、なぜあえて外部の人間でしかもいついなくなるかわからない人間に追加のフィーを払う必要があるか、今後大いに検討する余地があるかと思います。

是非自らの力で考え、トライしてみてくださいませ!


6、一任勘定について

PBの特徴のひとつに、資産運用(投資)を自分でやらずに、その道のプロ(ファンドマネージャーやポートフォリオマネージャー)が行うというセールスポイントがあります。

これを一般的に「一任勘定」という呼び方をします。この内容は、現在の日本の銀行法では国内では許可されておらず、ようやく証券会社の一部でラップ口座とよばれる商品が日本市場でスタートしはじめました。
一任勘定は、かつて金融関係に勤めたりしていて、その方面の知識やノウハウがあり、自分自身で金融商品を売り買いしたりする場合は別に必要のないサービスかもしれません。ただし一般的な素人の場合、株やファンドを選ぶといっても単なる過去のチャートぐらいしか情報網や判断の基準が無く、また買いや売りの最適なタイミングもわからないので、逆に多くのリスクを被る事になる場合もあるかもしれません。
ここでは、どのような人が運用をプロに任せるほうが良いかということについて考えてみたいとおもいます。
個人的な意見としましては以下の3タイプの性格の方は一任勘定で資産運用をプロに任せた方が良いと思います。

タイプ1 資産管理に時間を取られたくない人
自分の人生設計のなかで、投資や運用について割く時間の優先順位の低い人や、もっと別の仕事をやりたかったり、ともかく自分の人生の中で自由になる時間は自分の好きなことに費やしたいと考える人。*これは自分の預金通帳が自分の投資判断によって増えたり減ったりすることを楽しむひとにはあてはまらないかもしれません。

タイプ2 膨大な資産を持っている人
具体的には億単位で両手以上持っている人は、不動産や株式、金や美術品といった多岐にわたる財産をその道のプロのアドバイザーについて、上手に運用するのが賢明ではないかと考えます。またスイスのPBも色々と特色があり、このPBは絵画に強いとかこのPBは為替に強いといったPBの使い分けをして、2つや3つのPBを併用して資産の運用や保全の活用するのがベストと思われます。

タイプ3 投資に不向きな性格の持ち主
自分の買った株が少しでも買値より下がると、いてもたってもいられなくなり、狼狽・あたふたしてこれから反転する最安値で損切りしてしまうひと。かといって、すぐに熱くなって冷静さをなくし大博打を打ち失敗する方。レバレッジを思い切り聞かせて追証に追われるような失敗を犯す人。こういう方は、性格的にあまり投資に向いているといえないかもしれません。よってその道のプロの専門家に任せるのが良いかとも思われます。とくに一般的な素人の場合、いくら資産が増えても売り時がわからず、結局は相場の大下げにあっていつも貧乏くじを引いてしまう場合が多いです。

以上の3タイプに分けてみましたが個人的経験として一任勘定をやって本当に良かったと思っています。それはなにより「お金のことを忘れられる幸せ」にめぐり合えたからです。
世界同時株安やまた地震・テロリスク、天災や原子力発電所のリスクなど、一歩先は何が起きるかがわからないはかない金融市場であります。
このような中、通貨的にも資産の内容的にも、分散を主体としたポートフォリオを、スイスの優秀なプライベートバンクのファンドマネージャーに組んでもらうのが、資産の保全の最良の方法と思い、今まで実践していきました。その結果、今までのプライベートバンクの運用実績は、希望通りであったことを付け加えておきます。(10年で約倍)
尚、投資助言会社や投資顧問業者たちは自分達の食い扶持がなくなってしまうため、面白いことにこの一任勘定を目の仇にしています。 そしてPBとクライアントと業者の三角関係を結ばせようとやっきになっています。自分で独自に指示を出す方法。必要以上の手数料を投資顧問会社に払い外部の人を雇う方法、そして100年以上の実績と信頼のある銀行のポートフォリオマネージャーに一任勘定する3選択をクライアントは選べる環境となっています。
さて、これらの投資助言アドバイザー(IFA=投資助言会社)のことは、どのように生まれたか?といいますと、通常過去に金融機関に勤めていた金融商品を売るプロたちが元の会社をスピンアウトして独立した場合が多いです。
また、その彼らへの信頼への判断基準はとても不明瞭です。ただ、注意すべき点として(特に国内のIFAの場合)PBに一任勘定するより自分たちが金融商品を売買してその手数料を稼ぎたいためPBの一任に対し異論を唱えているところが見受けられます。
世の中にはその人がお金儲けをしたいがためにあまり必要のないものをかならず必要という人もいますので相手の営業話術にひっかからないよう
よく考えて行動しないと、自分の財布のお金はドンドン無くなってしまいます。
過去の2度の世界対戦や世界恐慌、金融危機の荒波のなかでスイスのPBは世界の富裕層たちからその信頼を勝ち取ってきました。
その伝統は今日でも受け継がれてきております。
まとめとして、これらの国内の投資助言アドバイザーに対しての注意点としましては

*プライバシーの問題 PBへの守秘性が第三者を介入させる事で薄れてしまう。
*そのアドバイザー会社があと数十年、継続して存在する保証はあるのか?
(魑魅魍魎の裏業者のようなところも多い・金商法すれすれ?のところで活動しているところも多い。)
(ある投資アドバイザー会社は従業員が一年で3回変わるなど人の定着しない組織もある)
*PBの良さは人事異動などで担当が変わらず、長年のファミリー的お付き合いが銀行=クライアント間の信頼の中ではぐぐまれるところにある。それとは全く反対の立場である。
*本家本元のPB銀行以上の運用成績を上げる保証がいったいIFAのどこにあるのかはなはだ疑問である。
*急な場合の対応等、ダイレクトで銀行と掛け合える状態に比べ使い勝手の悪さ

等々が上げられます。 要検討・御注意くださいませ。


7、語学の問題

「語学が出来ないとスイスに口座なんて開けないんでしょ」
と、最初から諦めてしまわれる方がいますが、実際はそんなことはありません。

最近では、国内に日本人駐在員のいる事務所をもつプライベートバンクもありますし、さらに、スイスの現地スタッフとして日本語を話せるスタッフを抱えているプライベートバンクもあります。昔に比べると、語学の壁はかなり低くなっています。また金融グローバル化の波のせいか、スイス人バンカーの中には、一生懸命日本語のレッスンを取って特訓している方もいます。 。
もちろん、直接英語等でコンタクトがとれたほうが良いとは思いますが、言葉ができないからといってプライベートバンクの利用ができない訳では決してありません。われわれ日本人にとっても利用しやすい傾向へ時代が流れてきています。
また注意するべき点として一部の紹介業者などは、語学が出来ない事を理由に、自分たちを介在した方が口座開設は良い、というようなことを言うかもしれませんが、結果的にクライアントにとって都合の悪い情報をその業者はすべて隠してしまうことも出来、個人情報も悪用される可能性もあり、またそのような一見怪しげな人たちといつまで繋がりをもてるかもわかりません。不必要な手数料(数十万単位)を支払うことも強要され、スイスの銀行と直接取引きすることと違って長い目で見てもあまり良いことは無いと思います。
したがって、語学を餌にするようなそれらの業者の人たちとは、そのような介在的な関係は結ばない方が賢明かとも思います。
基本は自らで資産を守るために行動すること。そのためにもこのサイトをご活用いただければ幸いです。


8、口座開設の必要時間

任せたい銀行が決まってから、実際に口座開設されるまでにはどのくらいの時間がかかりますか?

これは人によって個人差がありまちまちだと思います。ちなみに、私たちの場合は過去に、シティバンクのプライベートバンク口座を持っていたという事がありましたので、審査(デユーデリジェンス)も非常にすんなりと進み、約3日で口座を開設することができました。
一般的に、長い場合は、ゆうに2年から3年、短い場合は、1週間~3カ月から、という感じだと思います。2年3年ときくと、大変そうだと思うかもしれませんが、これは、手続きに時間がかかっているのではなく、本当にその銀行に大事な資産を預けてもよいものかどうかをクライアント側が吟味するので、それほどの時間がかかっているのです。
人によっては、一度コンタクトをとって面談後、すぐに口座開設に至る場合もあれば、1年2年をかけて担当者と連絡を取り合い、いよいよ決心して口座開設をする、といったケースもあります。したがって、口座開設までの時間は、結局あなた次第と言えるでしょう。
実際の手続きそのものは、必要書類を送付してから早ければ1週間から1ヶ月程度で完了すると思います。銀行側は審査を行いますが、そのポイントとしては、どのように資産が形成されたか?犯罪暦はないか?などが吟味されます。 ・
なお、しっかりしたプライベートバンクであれば、一度のコンタクトで口座開設を急かすようなことはしません。日本に顧客を持つプライベートバンクであれば、担当者は年に2・3回は来日してきますので、そういう機会に面会や食事を一緒にするなどして、お互いの理解を深めていくのが良いと思います。一通りの説明がおわったら、書類を取り出して「さあ、急いでサインして」というような銀行は、なにかおかしいと思った方が良いでしょう。
ともかくじっくりとメリット・デメリットを考えて100%納得のいくように預けたいですね。


9、PBの手数料

まれに、ブローカーなどからプライベートバンクの手数料が高いという批判があります。しかし、実際に比較してみると、そういった批判の多くは、あまり当を得ていないな、というのが感想です。

一般的なプライベートバンクの手数料体系は次のようになっています。なお、いくつかの銀行の詳細な手数料体系については、会員限定コンテンツにまとめましたので、参考にしてください。

口座維持手数料 預け入れ資産額の0.2%0.3%くらい
マネージメント・フィー
(運用手数料) 預け入れ資産額の0.5%から1%くらい
トランザクション・フィー
(売買手数料) 為替や商品購入の各種手数料。商品によって異なる。

例えば、投資信託などを購入するときは日本の某銀行で、ファンドを購入する場合、信託報酬手数料は約1.9%かかります。それとは別に、申し込み手数料として、3.15%かかるようです。
この商品については確認していませんが、日本の銀行で販売する投資信託というのは、本国のファンドに直接投資するのではなく、「本国のファンドに投資する日本のファンド」という形式をとっています。本国のファンドは当然、信託手数料をとるでしょうが、皆さんが投資する「日本のファンド」も信託手数料を取っているのです。申し込み手数料についても同じ事が言えるでしょう。つまり、手数料の二重取りです。一方スイスPBの場合わずか1%弱で購入する事が出来、報酬手数料はかかりません。
皆さんが、日本で直接本国のファンドを買いたいと思っても、それはできません。日本で販売する投資信託は、金融庁の認可を得なければなりませんが、本国のファンドは、わざわざ日本の認可など得ていないからです。したがって、本国ファンドに直接投資したい場合は、どこか外国に銀行あるいは証券口座を開設する必要があるのです。
このように、世界中の商品に直接アクセスできるようになるのが、プライベートバンクのメリットです。上記の口座維持手数料はこのためと考えても良いでしょう。

さて、もう少しプライベートバンクの料金体系について説明を続けます。運用手数料(マネージメントフィー)というのは、つまり、プライベートバンクを顧客の投資顧問として利用するための料金です。もし、顧客がどの商品をどのように買うか、すべて自分で指図したいというのであれば、このマネージメントフィーはかかりません。つまり、約0.2%前後+実際の売買にかかる実費(トランザクション・フィー)だけでプライベートバンクが利用できます。しかし、これはよほど投資に長けている方だけがとりうるオプションでしょう。
マネージメントフィーの対価として、プライベートバンカーが、皆さんの状況、今後の予定、顧客の投資の好み、許容リスクのレベル、などを詳細にヒアリングした上で、その顧客専用のポートフォリオを作成し、常にチェックをしてくれます。皆さんの考えが変わったり、新しい興味がでてくれば、いつでも相談にのってくれますし、それに応じたポートフォリオ変更作業も行ってくれます。
「世界中の商品への自由なアクセス」+「優秀な投資顧問」の手数料が、あわせて約1%くらいとなるわけです。さて、皆さんはこれがよくある批判のように「高すぎる」と感じるでしょうか?
トランザクション・フィーを入れた総支払い手数料は、大体、年間で1〜1.5%強を目安に考えておけば良いでしょう。
プライベートバンク利用のメリットは、まだまだあります。これらは別のコラムでまとめたいと思いますが、結論として、私たちはプライベートバンクの手数料は言われるほど全く高くないと考えています。


10、運用成績について

プライベートバンクの運用成績はどの程度でしょうか。これは皆さん、とっても興味をもっていらっしゃるところだと思います。

ほとんどのプライベートバンクでは、運用を開始するにあたって、どのくらいのリスクをとる意思があるのか、ということを聞かれます。これにより、ポートフォリオの原型ができあがるのですが、一般的に下の囲みにあるような3つのコースに分かれています。
各コース別に、おおよそ以下のような利回りが一般的なようです。

ローリスク・ローリターンコース (保全のみがメイン) 3~5%
バランスコース(中間を取ったもの) 5~9%
ハイリスク・ハイリターンコース  10~15%

一点注意が必要なのは、「平均利回り」の意味です。すこし乱暴な言い方をすると、1年目にマイナス10%、2年目にプラス20%の結果が出た場合、単純に利回りの数字の平均をとると5%になります。一方、2年連続で5%の利回りだった場合の平均利回りも5%です。しかし、同じ100の資産を預けたときに、2年後には前者は108に増え、後者は110に増えていることになります。同じ平均利回り5%の運用戦略であっても結果が異なる訳です。しかし、この2つの戦略では、ボラティリティ(変動率)が大きく異なります。ですから、平均の数字だけに目を奪われないで、どれだけ安定しているか、というところをぜひ注目してもらいたいと思います。
なお、日本人利用者の多くは、バランスコースを選択される事が多いようです。このあたりの実態については、みなさんに今後アンケートをとってみたいところです。
また、会員限定コンテンツでいくつかのPBの実例をまとめてみました。
(なお、こうした数字はあくまでも過去の平均値であり、今後のパフォーマンスを保障するものではありませんのでご注意を。)
一般的に、スイスのプライベートバンクは保全中心と言われています。アメリカ系のプライベートバンキング業務をおこなう銀行では、さらにアグレッシブなハイリターン・コースがあるかもしれません。(アグレッシブなところは今回の金融危機でかなりの痛手)
もちろん運用成績は良いにこした事はありませんが、目先の結果にとらわれず、どれだけ安定して結果が出せているのかという視点を忘れないでください。
なおスイス系の場合、ミドルリスクというのは、おおよそ過去20年平均の運用が6%前後と考えているようです。


11、どのPBを選ぶか

スイスの銀行の善し悪しをどう判断したらいいのですか?また、どのようにしてその銀行や担当バンカーを信頼したらよいのでしょうか?

こういうご質問を受けることが多いのですが、これは実際に資料をあつめたり、その銀行のプライベートバンカーと実際に面談をするなどして、自分で実感していく他ないでしょう。ともかく先方への積極的なコンタクトを取る事をお勧めします。
とはいえ、いくつかのポイントを挙げたいと思います。

私たちがまず重要だと思うのは、担当バンカーとの相性です。担当のプライベートバンカーが、理由はないけどなんとなく気に入らない、遠慮してしまって相談したい事を相談できない、というのでは本末転倒です。あなたが話しやすいと感じられるかどうか、はプライベートバンク選びにおいて重要な要素だと思います。これについては、実際に連絡をとってみるしかありません。
また、その銀行の歴史も信用するに値するかどうかのモノサシとなりえるでしょう。資産運用は、長期間にわたるものですから、100年も200年も続いているという事は、それだけ多くの人の信頼を継続的に勝ち得ている、ということは言えると思います。もちろん、将来を保証するものではないですが。また、ゆっくりでも着実に銀行の総預かり資産が増えているかどうか、というのもあわせて確認しておくと良いでしょう。※一方、あまりにも急激な変化がある場合は、銀行の考え方の変化を示すものかもしれませんし、大きくなりすぎることによる懸念材料がうまれることも見落としてはならない点です。

それから、人によっては、日本駐在所の有無や日本人スタッフの有無なども考慮に入れる必要があるでしょう。会員限定コンテンツにはそのあたりをまとめてあり、現在わかっている範囲での日本語対応についても記載しているので、ぜひご覧ください。
その他、銀行のバックグランド(資本関係等)や、経営形態(株式会社なのかパートナー制なのか)、経営の規模なども参考になるでしょう。
あとは、なんといっても、実際に口座をもっている方からの評判でしょうか。これについては、私たちの所にも数多くの情報が集まってきておりますのでニーズに合致するプライベートバンク探しをお手伝いする個別面談(カウンセリング)にも応じています。


12、弁護士は必要か?

口座を開設するに当たり自分側に弁護士やFP(ファイナンシャル プランナー)が必要でしょうか?
トラブル(銀行の破綻、担当者の不正等)が起きることに備えて、何をどこまで準備する必要があるのでしょうか?
このようなお問い合わせもいただきます。

まず、まっとうなプライベートバンクと取引するのであれば、よほどのことがないかぎり弁護士やFPは特に必要ないと思います。
第一に、日本国内にプライベートバンクの真の情報を持っていて、直接プライベートバンクとコンタクトがとれるFPがどれほどいるのかという点。多くのFPは自分で口座を持っている訳ではなく、何人かを経由して紹介ルートを持っているだけのことが多いです。直接口座をお持ちの方がいれば、それはとても有益な情報となると思いますので確認してみると良いでしょう。
第二に、国際税務に精通した弁護士を、一般人の金銭感覚で(総資産数十億の富裕層の方は別ですが)お願いできるのかという点。 (かなり高額です)
第三に、弁護士やFPの仕事があなたに助言を与える事(与え続ける事)であるからして、よけいな不安や疑念をいだかせることで、継続的な契約を取ろうとする傾向がある点。この第三の理由は、少々意地悪がすぎるかもしれませんが実際にある話です。
なおスイスでは、銀行が万が一倒産した場合、個人の資産のほとんどは世界一厳格といわれているスイス銀行法にて保護されています。

さて、スイス法なんて外国人に関係あるの?と思うかもしれません。しかし考えてみてください。外国人もしっかり保護し、それに対する信用があるからこそ、歴史的にスイスは諸外国からのお金が集まってきているのです。
本当に確実なものというのは、世の中にはありません。どこかでなにかを信用しない限り、すべてを自分で管理せざるを得ないでしょう。しばしば、華僑の方々は国家を100%信用する事は無ないので、資産の一部は金や宝石にして身につけるなどのリスクヘッジをしている、なんて話を聞きます。その話の真偽はともあれ、なにをどこまで信用するかというのは、あなたの考え次第です。日本の銀行にお金を預けるのも、実は証拠とか法律うんぬんではなく、日本国家にたいする信用が前提になっているはずです。日本ならばなにかあってもなんとかしてくれる、という暗黙の信頼があるはずです。一方で、スイスでは言葉も通じないかもしれないし、遠いので泣き寝入りになってしまうのでは?という不安感があるのだと思います。
繰り返しになりますが、歴史的にスイスは諸外国からのお金が「保全」を目的として世界一多く集まってきている国です。継続して信頼を得てきたこうした事実をベースに、どこまで信頼できるかをご自分で判断するしかないでしょう。全財産を預け入れる必要など無いのですから、資産の配分はじっくりと検討されるのが良いと思います。
数多くの方の事例を見てきておりますので、悩んでいる方は一度カウンセリングを受けてみてください。心の闇が晴れるかもしれません。


13、口座開設出来る場所

口座開設はスイスにいかなくても取引できますか?可能なところもあるようです。銀行によって異なるので、それぞれ確認が必要だと思います。

どの銀行も、口座開設後の取引は、電話/郵送による指示/FAXで可能なシステムになっています。また最近では一部の銀行では、インターネットでリアルタイムに残高が見れる利用も進んでいるようです(閲覧のみ)。
ただし、仮に口座開設がスイス以外でで可能だとしても、大枚の虎の子を預け入れる先ですから、是非一度は現地に見に行くことをお勧めします。
メールや電話で話している担当者と実際に会う、記載されている住所にきちんと銀行があるということを確認しておく事は、不安の解消にも役立つ事でしょう。それに、せっかく海外の銀行に預けるのですから、世界有数の観光立国である現地に観光も兼ねて訪れる。。。これもプライベートバンク利用の楽しみの一つと言えるのではないでしょうか。


14、参照通貨とは?

参照通貨とは、運用にあたって、どの通貨で残高をみるか、ということです。この選び方で当然ながら為替の影響によりパフォーマンスは変化してきます。

日本人であれば、円で・・・と考えるかもしれませんが、世界の主流のファンド等は、ドル建て、あるいはユーロ建ての商品がほとんどです。近年、だいぶユーロ建ても増えてきたようですが、ヘッジファンド等の新しめの商品は、やはりまだまだドルが主流のようです。通貨は、だいたいどこの国のものでも選ぶ事はできますが、上記の理由から、ほとんどの方はドルかユーロではないでしょうか。また、スイスの安定性を評価してスイスフランにしているという方もいるようです。
しかし、円ベースでないと「結局、投資がうまく行っているのかどうかわかりにくい」という方もいるでしょう。
プライベートバンクによっては、レポート時にどの通貨に換算してレポートするか、というのを選べる場合があります。基軸通貨をユーロベースにした上で、レポートはレポート作成時の円換算で受け取る、ということが可能です。(参照通貨は円)
こうすれば、円ベースの時価評価がいつでも可能ですので、便利だと思います。このようなレポートが可能かどうかは銀行に問い合わせてみると良いでしょう。
また分散投資においてどの通貨を基軸にもってくるかで、成績は変わるのでしょうか?
厳密な意味では、ある投資を行う際に必要な通貨が足りなければ為替を起こす必要がありますので、長い目で見ると多少の差が出てくるとは思います。つまり、ほとんどの現金をユーロで持っているときに、ドル建ての商品を買うには、ドルをまず買う必要がありますので、そのタイミングによっては損したり得したりする可能性があるということです。
ある銀行では、同じ投資戦略を採用した際の、ドル建てベースとユーロベースでどう成績が変わったかというグラフを見せてもらった事があります。円換算したときの評価は、個人的にはさほど気にする必要はないと思っています。
ドル建てだからといって、ユーロやポンドを全く持たないという事でもないし、これまでドル建てでやってきたが、ユーロの比率を高めていきたいと考えれば、担当のバンカーにその希望を伝える事です。適切なタイミングで徐々に(あるいは、あなたの指示で速やかに)ユーロの比率を高めていってくれるでしょう。その際、銀行側の為替に関する見通しやアドバイスももらえると思うので、勉強にもなるでしょう。
また、現地でよく使う通貨があるのであれば(例えば、ハワイやNZに年3回は行くと行った場合)、その国の通貨を選択するというのも旅行の幅が広がると思います。


15、預金通帳とキャッシュカード

預金通帳やキャッシュカードはありますか?プライベートバンクでは、日本の銀行のような預金通帳は一般的にないように思います。

通常、頼めば毎月初めに月次報告書(ステートメント)がスイスから送られてきます。預金の残高や運用取引明細は、このステートメントで確認できます。書類が送られてくるのが嫌な人の場合、銀行によっては、インターネットで確認できるところもあるようです。
キャッシュカードやVISA、MASTER等のクレジットカードを発行している銀行はあります。クレジットカードについては、自行で発行している場合もあれば、外部に委託している場合もあるようです。
なお、これは余談ですが、スイスプライベートバンクといえども、特別な投資のことだけをやっているわけではなく、普通の銀行機能も持っているようです。
名門プライベートバンクであるピクテの前でしばらく時間をつぶしていた際、バイクにのったおじいさんや、大学生らしき若者などが次々にやってきては、窓口でなにやら用事を済ませては帰っていくのを目撃しました。おそらくですが、生活費のお金を引き出したりしているのではないかと思います。
名門プライベートバンクとはいえども、意外に庶民的な側面もあるんだなあ、日本の銀行と使い方は一緒だなあと変な感心をしたことがあります。もっとも、その後、見るからに大富豪といった家族が超高級外車で銀行前に乗り付けたのを見て、やっぱり普通ではないな、とも思いましたが。。。


16、PBのデメリット

ここでプライベートバンクのマイナス面に、焦点をあててみましょう。まず、第一に皆さんが心配に思うのは、邦銀や他の外銀と比べて銀行の窓口が日本にないことでしょう。(本当は勉強していくと、銀行の窓口が日本に無いことがメリットなんですけどね・・・)

そして、担当者も日本人でない場合が多く、なにか急に日本円でのお金の入り用があった場合、すぐに送金してもらえるのか?といった問題や、お金のメンテナンスの手間がとてもかかるか?とも思われがちです。
またそれらの前提として、おそらくいちばん皆さんが気にしているのは、自分の語学力でプライベートバンクと意思疎通が図れるかという問題です。また、日本にはない金融商品の購入や、場合によっては一時的に日本の税制の適用範囲外になるケースがある半面、資金の移動が大変であり、特に日本に資金を引きあげる場合、税制の面で何かとても大変なのでは?といった「得体の知れない恐怖感」をもっている方もおられます。また、ありもしないマネーロンダリングの疑惑をかけられるかもしれないという思いを持っている方々もいるでしょう。
これらの考えられるデメリットへの回答として、まず、プライベートバンクは銀行の営業時間であれば、本人の認証確認をとれば、スイスからどこの国のどの銀行、どの口座へも電話一本で振り込んでくれます。また気になる語学力についても最近では一部のプライベートバンクでは、担当者に日本人を置いているところも多々あり、全く語学が出来なくても日本語さえ出来れば大丈夫な環境も整ってきました。
また、急な入り用で日本へキャッシュを戻したい場合も、とりたてて問題はありません。運用益については、あくまで国内同様、確定申告をしっかりやっておけば何の問題もありません。
当然、日本の都市銀行のように気軽にいつでも、コンビニからでも振込やお金の引き出しができる利便性にはかないません。
しかし、プライベートバンクを利用されようとしている方は、日常生活用に利用するのではないと思いますから、上記のような心配は、ほとんどデメリットと言うほどのことではないと思います。
最後に唯一あげるとすれば国際分散投資ですので、良い悪いにしろ為替の影響は受けることになります。


17、日本国家破綻に備える

プライベートバンクの根底に流れる思想は、国家の事を「個人の資産を合法的に収奪する組織」と定義していると聞いたことがあります。

日本では、国や官僚は国民のためにあると思われていますが(憲法前文にもそう書いてありますが)、それを無邪気に信じ込む事から日本人の組織依存の思考停止状態が始まっているように思います。私が思うに、官は国家権力ですから、当然に権力のために機能します。ですから、官は必ずしも民のために良い事をするとは限らないのです。
その意味で、中立的に官をチェックするものが公(Public)であり、公は理性的な民の集合であると考えられます。官とは違う公が民の中に輝いていてこそ、民主主義や自由経済の本当の意味があるのです。ただし今の日本の場合では、官へのチェック機能がほとんど働かず、民の血税はかれらの道楽や天下り資金、公共事業などに湯水のように使われてしまい、社会的にも政治的にも経済的にも全てに「?」が点滅しています。こうした中で、「今後の日本は危ない」と考えている人も増えてきているようです。国家の財政の破綻について論じる本も増えてきました。

もし、ロシアやアルゼンチンのような状況になったらどうなるか。「預金封鎖」+「デノミ」のセットが万が一実行に移されたとしたら・・・ 何もしていない人は全てを失う事になるかもしれません。
日本の破綻については、諸説いろいろあります。誤解していただきたくないのは、私たちは、日本は破綻しそうだからさあ海外に資金を出そう、というものではありません。
ただ、万が一財政が破綻して、言われるようなハイパーインフレや預金封鎖が行われたとしたら、海外に円以外の資産があることは大きなリスクヘッジとして働くでしょうし、日本が破綻しないで乗り切ることができれば、一日本国民として、それにこした事はありません。
プライベートバンクの利用は、平時においても資産運用においてメリットがあるものです。加えて、有事のリスクヘッジもかねている訳ですから、積極的に活用するのが良いのではと考えています。より良い活用の方法を会員のみなさんと一緒に勉強していきたいものです。


18、口座開設への流れ

口座開設から運用開始までの一般的な流れは、次のようになります。

PB銀行の選定
銀行とのコンタクト
個人情報の提供
銀行側の審査
投資戦略の決定
口座開設用紙の記入
口座開設・口座番号の決定
海外送金
運用開始
運用レポートの入手・閲覧

銀行によってはマネーロンダリングといった犯罪の防止から、口座開設前に、どのようにして個人資産を築いたかを聞かれる場合があります。(Know Your Client)こうしたことは、銀行側がトラブルに巻き込まれないためにも必要なことであると思います。他にも、日本国内の納税証明書や所得証明書・源泉徴収書といった日本の公的な証明書が必要な銀行もありますし、全くそうした書類は必要ないという銀行もあります。
尚、肝心の運用につきましては、日常生活で心配せずにその道のプロに任せるのが気が楽ということで、我々夫婦は一任勘定でお任せきりにしております。レポートチェックする限り、非常に満足のいく運用益を得ることが出来ています。報告書は頼めば毎月指定の場所に郵送してくれますし、ITの発達した銀行であればWeb上でみることができるので、郵送レポートはまったくいらない、という選択もできます。
さて、口座開設の流れからは少々脱線しますが、一点注意を促したいと思います。それは、いわゆる名門PBであっても、銀行の選択時や口座開設は紹介者なしでも十分に可能です。これは断言することができます。 一方紹介してもらう事自体は、別に問題は無いと思っています。友人や親戚に紹介してもらうのは、皆さんにとってもある程度安心でしょうし、銀行としても歓迎するでしょう(なぜなら、その顧客を満足させているという事ですから)。
しかし、紹介すること自体をビジネスとしている紹介業者・投資顧問業者に頼るのは、決しておすすめしません。この理由は、このサイトを読み勧めていただければわかると思います。
なお、みんなのPBガイドでは、紹介ではなく、独力で口座開設される場合に知っていた方が良い情報のサポートをする、というスタンスであります。
尚、某書籍や某ホームページに書かれているように、口座開設時に最低5億必要、有力な紹介業者がなければPB口座開設は無理であるとか、PBの運用利益はすべて総合課税で50%を納税しなければならない、といった記述は必ずしも真実ではありませんのでお気をつけくださいませ。


19、なぜPBに口座開設をしたいと思ったか

なぜPBに口座開設をしたいと思ったか。口座開設にいま一歩踏み切れない理由およびそれに対するコメント

このコラムでは皆様から寄せられた、いったいなぜ海外のプライベートバンクに口座開設したいと思ったかの「声」を集めてみました。ぜひ今後の参考意見として聞いてみてください。
また後半に、口座開設にいま一歩踏み切れない理由およびそれに対する我々夫婦のコメントを青い字で書きました。是非今後のご参考にしてみてくださいませ。


国の借金は「インフレ」「増税」「社会福祉の削減」の組み合わせでしか解消できないと考えており、最近でも「日本破綻」の御話がたくさん出ておりますが、「日本破綻」の私のイメージでは「日本の民事再生」と考えています。御存知の通り、民事再生は大口の債権者ほどダメージが大きいので、日本が民事再生となった場合には、ハイパーインフレにより日本通貨での資産が大きい人が泣きを見ます。実際に、「お上による財産の召し上げ」が無いとも限らないので、保険としてPBに預けるのが、一番確実と思っています。


一言で申しますと「資産を全て日本通貨等で保有することに対して、非常に不安があるから」であります


日本の金融機関に対し、根強い不信感をもっています。バブル博打に負けて都合が悪くなると公的資金を注入され、赤字が多いと超低金利の優遇を受け、果ては裏でサラ金としっかり手を結び、中小企業に対し貸し剥がしを行う。そのような処とは本音であまり御付き合いしたくないです。


小生、3年半前に55歳で早期退職をし、これからの将来を考えて、退職金を元に自分年金づくりに取り組んでおりますが、現実には厳しいものがあります。世界のプロ中のプロの手をお借りしたいと思って。

昨今の日本の国内情勢に不安を覚える
映画ダヴィンチコードをみてスイスのPBの貸金庫にあこがれた


PBは心をくすぐるステータスの響きを感じる。


日本の抱える国家リスクから回避できる安心感。


夕張市の破綻をみて、ただ事で無い、と思いました。将来の国家破綻を見ているようでした。
現在の国家の抱える借金に加え、もし金融機関の集中する東京で大きな地震があったらこの国の経済はすぐに破綻するという恐怖感があります。


生活資金は残しておくが、残りの60%を海外分散投資と言う形でリスク分散したい。


為替リスクの問題を考慮しても、これから円の価値が永続的に上昇するとは思えない。


今まで個人投資家として株式投資でジェットコースターを味わいながらさんざん損をしてきた。金融の道は本物のプロに任せたほうがよいと思った。


国家破綻・預金封鎖が本当にあると実感は湧かないが、リスク分散をするのは賢明であると思ったから。


国内に預金残高があると煩わしい邦銀の営業マンがきて困る。個人情報保護も建て前だけで腹立しい


子供がスイスに留学することが決まりよいきっかけとなった。


世界の富の3分の2以上が集まると言われるスイスの銀行で、最高のスキルを持ったファンドマネージャーに資産運用を託したい。


ゴルゴ13の「報酬はスイス銀行に」のセリフが好きだった


友人があるスイスの信頼できる銀行に口座を持っており、もし日本政府が借金で夕張市のように破綻するというような、なにか有事があっても海外で命がけで資産を守り抜いてくれる、かつ運用も一任で任せられ枕を高くして眠れ、とても安心感を得ているという話をきいて


国内の金融資産はそれまですっとお付き合いのあった大手証券会社で担当のFPと相談しつつ運用しており、幸いこれまでは、順調に増え続けております。しかし、これから一生、より大きな安心の中で暮らしを楽しみたいのです。そのために、世界中の金融システムについて勉強しましたが、結論はコンセルジュ的役割を果たしてくれるスイスのPBしかないかと感じました。


「プライベートバンク口座を開設したい理由以下の3点です。
1)国家の財政破綻が心配だから
1000兆円という国家、地方あわせての負債は、恐ろしい。自分なりの対処を考えておきたい。

2)有利な資金運用がしたいから
政府がなんとか財政立て直しに成功するとしても、現状の円の預金金利を考えた場合、邦銀の預金では話にならない。ある程度の利回りがほしい。

3)自分の資産運用に自信が持てないから
上に記した二つの理由だけであれば、オフショアや香港・シンガポールなどで口座を開設し、そこそこ上手にファンド運用などすれば事足ります。しかし自分の年齢や過去の資産運用の経験を考えると、いつまでも頭が正常に働くかどうか自信が持てません。60歳を過ぎればいつぼけてもおかしくありません。有能なプライベート・バンカーに一任できれば安心です。


*プライベートバンクに求める要件以下の2点です
1)日本語でのコミュニケーションが可能なこと
私の外国語(英語)コミュニケーション能力ははだふがいないものです。妻の外国語能力はあいにくゼロであります。私に万一のことがあった場合のことを考えると、この要件は必須です。

2)誠実な資金運用をしてくれること
15%以上といった卓越した運用利回りは期待しませんが、低リスクでも安定的な資金運用を実施してくれることを期待しています。


「以前から自分の資産は自分で守らなければとの思いで、様々な情報を収集して参りました。これからの日本、米国、欧州、アジアの事や、海外口座開設ブーム、様々な投資手法や投資商品、良く分からない仲介人やコンサルタントの存在、等々。
海外で資産運用を行う重要性はかなり理解できました、その実行方法もネットでの情報を頼りに投資をするか、怪しげなコンサルタントを通して投資をするのか等々・・・とても高いハードルのように思えました。
この様な中、最も自分に適した資産保全及び運用方法はプライベートバンクに一任勘定することが最善の答えではなかろうかと思ったのです。
しかし、口座の開設をするには怪しいコンサルタントにを通さなければならない、本当だろうかと悩んでいるところに、こちらのHPや本と出会いました。
正にこの情報は私が求めていたものでした。
HPを隅から隅まで読み、早速、廣瀬様の著書である「あなたもできる!スイス・プライベートバンク口座開設のすすめ 豊かで安心した生活のために」を購入し読ませていただきました。できるんだ!やっぱりできるんだ!と喜びが沸いてくるようでした、そして自らの力で行動を起こされた廣瀬様に強く感銘を受けました。


「PBへの口座開設の可能性を感じたのは、廣瀬さんの本が初めてだったです。本にも記述があった、国家的な危機の話や精神世界の話は私もかねてから興味があり、共感する点が多々ありました。特に、資産保全の緊急性は肌身に感じるだけに、どうすべきか考えていました。
私は、子供が複数おりますので、年金問題や増税問題を考えると日本に住むのは子供にとっても得策でないと考え、英語を母国語化できるように考えるようになりました。ただ、治安の良さ、勉強の環境、居住性等を考慮し、研究を重ね、空気や食べ物の良さも兼ね備えた場所、海外移住も本気で考えられる場所を見つけました。
廣瀬さんの本は、そうした中にあって、再び海外移住を意識した海外での資産運用、さらにはVISAの取得等にも目先が開けるPB利用という新たな視点がることを知り、雲間からみえた暁光のようでした。


また、もっともなるほどと思う理由の一つに


「お金がそばにあると、ついついよけいなものを買ってしまい、またその誘惑に負けそうになる。その分、海外にあると忘れられる。」
というのがありました。



<口座開設に踏み切れない理由>

みなさまから寄せられたPB口座開設にいま一歩踏み切れない理由およびそれに対する私達夫婦のコメントを青い字で書きました。

スイスのPBでは中東のファミリーマネーは少なくとも500億円くらいあるので、数億円だと全く大事な顧客としては扱われません。と聞いたので・・・・・・
これは業者が普通の何も知らないクライアントにPBを諦めさす常套文句です。 ある意味よいPBほど預金額によって顧客に対する差別というのは体験上全くありません。(もちろん規模の経済性で預金額の多い人には手数料の割引はありますが。)
そこに口座を開くことが銀行より了承された人物であれば、きちんとしたPBであれば、一人一人はとても大切なクライアントとして扱われます。投資アドバイスなども 資産規模に則した対応をきちんとしてくれますので、まずはPBへの入り口の段階で諦めないでほしいと切に願います。

「いろいろとPBのバンカーに会ってきたが本当にこの人を信用して大枚を預けていいか疑問がのこった。いまひとつ確信がもてない」
これは、自分にとって最高と思えるPBとの出逢いによって、解消される心の問題のような気がします。PBや、そこにかかわる人々の、人柄を拝見し、見る目が磨かれてゆくと、解消できる問題ではないかと考えます。

「通帳もなく、口座振込先も自分の名前の口座ではなく日本の金融習慣と違いわけのわからない世界」
PBのメリットである、銀行間取引レートでの格安売買手数料のメリットの享受、ナンバーアカウントなど、究極の個人情報保護のメリットの享受、等々・・・PBのもつ日本にはない特殊な顧客保護のメリットを存続させるためには、必要不可欠なポイントなのです。

「PBの運用益に対してすべてが総合課税で50%もってかれてしまい、国内に住んでいるかぎりたいしたメリットはないとある本で読んだので。」
その本は海外の税制に関して大きな誤解があるようです。たしかに定期の利息や株の配当に対しては総合課税ですが、ファンド等を運用して得た利益は分離課税となり20%の納税となります。(現行税制度)。したがいまして例えば相続対策でPBを利用する場合、非分配型のファンドで複利運用していた場合、以下のようなスキームもありです。
一億円を10年後相続する場合
A
国内で全く無策の場合(相続税50%)1億 X 50%=税引き後相続額 5000万円=A
(納税額 5000万)
B
海外PB10年間7.2%の複利で一億を運用した場合1億を複利で10年運用すると2億になる。その2億の複利の分の20%をまず納税し日本に引き上げた
資産額  1億8千万
(相続税50%) 1億8千万X 50%= 税引き後相続額 9000万円=B
納税額2千万+9千万=1億1千万)
したがいまして相続後、無策のA案とPBを利用したB案では相続税引き後4000万ほどの違いが発生します。
(注:PBの7.2%の複利計算はあくまでも過去20年間の平均統計で必ずしも将来保障されているものでありませんのでご注意ください。)

「なぜそんな悪いことをしている訳でも無いのにこそこそと秘密裏にしているのかがわからない。」
世間一般に流される、マスコミのイメージからすると、そのように受け取られてしまっても、仕方がないのかもしれません。
ただ、これには二つの立場の視点から、言えることがあると思います。
ひとつは日本国の立場からの視点。それは、税金自動徴収機能をつかさどる、日本国内の金融機関の預貯金が、日本国内の銀行よりも何十倍、何百倍もの魅力のある、国外のPBへ資金流出されては困るので、情報の湾曲化や、情報流出にセーブをかけていたのでは?という捉え方もできます。
そしてもうひとつは、銀行側の顧客情報保護の観点から、個人情報流出、銀行サービス情報の劣化や流出を防ぐための、セキュリティー対策という観点もあるのではないかと推測します。

「なんとなく不信感がある。あやしげ。身近に看板とかないので親近感が沸かない。」
これは、「口座開設前の憂鬱」ですね。我々夫婦も立ち進む中で、ぶつかった壁でした。実際、初めての書籍を書き始める時点で、初めて気づいたことがありました。
それは「口座開設後の憂鬱」です。これは、PBの情報があまりにも公になることは、魑魅魍魎巣食う業者や人々へ、人を騙すための材料を与えるようなものだからです。また、口座開設済みの顧客からすると、自分の口座開設をしている銀行は限られた存在であってほしいと願う気持ちが少なからずあるからでしょう。

「紹介された仲介業者の言うことがとても怪しかった。」
直観力を大切にされることは重要です。人間も動物ですから野生の感というものを持ち合わせているのです。いずれ「ここが善い」と心から思えるPBに出会えるでしょう。探究心と想像力、行動力と直観力を大切にいてください。

「あるPBからしつこい営業攻勢をかけられうんざりした。」
その人と銀行の相性や、どんなバンカーと面談したかという、人との出会いが、とても大切な要因であると思います。恋愛と同じで、人によっては、強引に手を引っ張ってもらわないと、前へ進めないという人もいます。そういう人には心地よいのかもしれません。ただ、PBの場合は少し勝手が違います。それはPBの持つ資産保全という特性を考えると解るのですが、 おそらくここはメガバンクのPB部門か1000人以上行員のいる所とおもわれますが、このような銀行とは餌食となってしまうのでお付き合いしないほうがいいでしょう。
本物は機が熟すのをじっと待ってくれています。

「ある評論家の本にPBは手数料が高いと書いてあったので。 」
PBの手数料については一任勘定を依頼した場合、平均でおおよそ預け入れ額の1%~2%程となりそれ以上はかかりません。また預金額が高くなればなるほど手数料は下がってきます。
ところで日本で普通に投信を買ってもすぐに3~5%の手数料をとられる今日、PBの個人的経験では運用でかなりのパフォーマンスを過去に出してもらっており、手数料の分を差し引いてもかなりお釣りがきています。費用対効果としてもPBの手数料は十二分に安いと感じております。

「スイスからUBSの顧客名簿の公開と赤字が理由で資金を 引き上げているとの噂が・・・・・・」
たしかに一部の大手メガバンクのPB部門から資金が流失しているという噂は存在します。しかしその主な受け入れ先はシンガポールや香港ではなく、スイス国内の小規模の「ブテック」型の銀行であります。親しくしている小さな銀行のプライベートバンカーとは2008年の秋以降、新規顧客の資金の預け入れが極端に増えて、とても忙しくしているといった会話をよくしています。
皆様には是非とも、とことんまで追求し、本当に納得のいく御選択をしていただきたいと思っております。


20、騙されないために

PBに関する情報の少なさや語学の問題、最初のとっかかりが欲しいといった理由で、プライベートバンクを紹介してくれるサービスの利用を検討されている方も多いかと思います。

このコラムでは、そうした場合に注意した方が良いことについて述べたいと思います。 良心的な会社もありますが、悲しい事に、中には悪質なものもあるようです。
そこで、紹介会社に関して事前に知識を持ち、その構造を理解した上で利用するかどうかの判断ができるようになっていただければと考えています。
例として業者の手法を4つのパターンに分類してみました。
そしてこのコラムは、ある悪質な紹介会社によって、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまった実話をうけて、紹介会社など第三者を通す場合の注意点についてまとめたものです。

パターン1:紹介に高い金額を要求される場合
プライベートバンクの紹介を専門的にやっているところもあるようです。しかし、その紹介料として数十万を要求してきたり、預け入れ金額の1%を請求してくるようなケースがあるようです。
もちろん銀行の手数料とは別にその会社に支払う必要があります。・・・・・・・

パターン2:PB紹介は単なる誘い水にすぎない場合
プライベートバンクを紹介して下さいと、コンタクトをとってみます。
すると、プライベートバンクのマイナス理由をいろいろ並べたててから、
プライベートバンクではなくその投資顧問会社のあつかっている投資信託や金融商品の勧誘に合う場合があります。・・・・・・・・

パターン3:運用は自分たちにやらせてくれ、という場合
こうした会社(A社とします)に依頼をすると、実際にプライベートバンクを紹介してくれます。担当者にも会わせてもらえるし、スイスに口座も開設されます。
しかし、資産運用は銀行ではなく、自分たちにやらせてください、というケースがあります。プライベートバンクでは一般的に「資産の保管」と「資産の運用」は分けて考えられています。銀行の一任勘定とは、この2つを共に銀行に委託するということです。
しかし、このパターン3の場合、A社が「資産運用」を担当し三角関係を結ぶことになります。皆さんは銀行に直接連絡をとることはなく、このA社と常にコンタクトを取る事になるでしょう。A社が皆さんの「プライベートバンカー」になるわけです。
さてこのパターン3の場合、A社は、A社の判断で株式、債券、ファンド、為替の売買を行います。皆さんのポートフォリオはA社が管理することになるのです。もちろん銀行の一任勘定にした場合は、銀行は銀行の投資戦略、相場の見通しに従って皆さんにかわって売買を行い、ポートフォリオ管理をするわけです。
要するにパターン3の場合は、A社と銀行、どちらに運用を任せた方が皆さんにとって良いのか? ということを考える必要があります。・・・・・・・・


21、PB選びの4つのものさし

いよいよコラムも最後となりました。
ここでは、理想的なPBを探すというテーマで、我たちの考え方をストレートに皆様に伝えていきたいと思います。

リスクヘッジのために、資産数十億の富裕層の方々は複数のプライベートバンクを使い分けて活用されています。この事は、この業界では当然の事のように行われている周知では無いですが隠れた事実であります。いろいろな方から、お話を伺うほどに我々夫婦も、将来できれば複数のプライベートバンクとお付合いしてみたいといった興味も沸いてまいります。
その為にも、絶えることのなく新しく状況が変わる世界情勢や、プライベートバンクをとりまく環境について研究するというアクションを、可能な限り取り続けてゆく必要性を感じ、現在も可能な限り多くのプライベートバンクとコンタクトをとりつづけております。
さて、そのような経緯から、いままで数多くのプライベートバンクに様々な質問を投げかけてきましたが、実際の預金先の銀行を選ぶ場合、それぞれのプライベートバンクについて、以下の4つのものさし(評価軸)で、それそれの銀行の特徴を考えるとよいと考えました。

1、安定性について
その銀行が100年以上の歴史を誇るなど、長い年月の間安定した運営を続けていれば全く問題はないでしょう。また、創業者ファミリーが現在も経営に関与しているというのも安定性の証拠と言えるかもしれません。現在数代目の当主がまだ若ければ、まだまだ長い間安定した状況が続くと考えられますし、きちんとした後継者が育っていれば、これも安心材料と言ってよいでしょう。
こういった安定性は銀行の従業員やクライアント双方にとってとても重要であります。それは変な経営的問題(合併や統合も含む)による不用意な障害にも影響されない、長年の信頼関係の根本的なベースとなるからであります。
銀行の経営形態(株式会社であるか無限責任のパートナー制であるか)についてもその銀行の経営の安定性の需要な鍵となりえるでしょう。

2、運用成績・パフォーマンス
とにもかくにも、運用成績、利回りがきちんとしていなければ大金を預け入れている意味は全くないでしょう。過去の実績をよく把握し、銀行の運用成績について強く優れたパフォーマンスであるかどうかを、なるべく多くの情報を入手して分析しましょう。
その銀行がクライアントに対し、世界中からベストな商品を集めるために、どういう取り組みをしているのか。手数料は十分に低いレベルで供給できているかどうか。ヘッジファンドといった代価投資(オルタナティブ・インベストメント)に関して、深い知識と長い経験をもっているかどうか、ということも重要な鍵となります。
それは投資に対して非常によいリターンを及ぼすばかりでなくボラティリティの高い(上げ下げの早い)株式・証券市場に対しても非常によいプロテクション(保全投資)となりうるからです。

3、最先端のシステムの導入・近代化について
歴史と伝統を誇っているプライベートバンクにも拘わらず、新しいIT技術のシステムを導入しているかどうかも、ひとつのものさしとなります。好きなときに口座内容をすばやく閲覧することが可能であるかどうか。また、個人個人のカスタムメードのサービスを提供できるかなど、従来の紙と印刷物だけではない情報の伝達方法は今後、益々重要となっています。

4、サービスについて
一人ひとりにアドバイザーであるプライベート・バンカーが付き、クライアントの希望をかなえるために、個人的な面談や連絡を常に行えているかどうか。その上で、銀行と個人の親密度を深め,そしてお互いの理解が深まった中、新たな発展へと舵を取っていけるかどうか。サービスの内容も語学の問題はもちろんの事、あらゆる想定外の出来事に対し迅速な対応をとってくれるかについては重要な基準となります。
以上の4つのものさしを基準に一生お付き合いのできるプライベートバンク銀行選びをしてみてください。
きっと思わぬ発見があることでしょう。

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